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シルクの色落ちと防ぎ方について


大切なシルクを着た時に、色落ちをしていたらガッカリしますよね。
シルクの特徴は、なめらかな肌触りに加え、落ち着いた大人らしい風合いのある色合いです。
シルクの色合いをいつまでも楽しむために、色落ちの原因と予防法を解説します。



シルクの色落ちの原因とは

シルクが色落ちしてしまう原因はどこにあるのでしょうか?
シルクが色落ちする原因は大きく3つあります。

1.水濡れや汗
2.洗濯物同士の擦れ
3.強い日光

順番に見ていきましょう。



1.水濡れや汗

シルクは水がニガテと聞いたことはありませんか?
一般的なシルク製品は水洗いができず、クリーニングに出すしかありません。

その理由は、
・水洗いできるように染めていない
・糸が縮んでしまう

など、シルクの良さが水によって消えてしまうから。
シルクが洗濯を想定して加工されていない製品は、どうしても水洗いができないわけです。

汗もシルクにとっては大敵。色落ちだけではなく、シミにつながります。

汗の出口となる汗腺はエクリン腺とアポクリン腺の2種類。
そのうち、アポクリン腺からでた汗には、鉄分とリポフスチンという色素が含まれており、
混ざり合うことで黄色い汗シミになってしまうのです。



2.洗濯物同士の擦れ

洗濯物同士が擦れてしまうことも、原因の1つです。
シルクは摩擦に弱い繊維ですが、洗濯機は洗濯槽を右、左と回転させ、
水流を起こすことで汚れを落とす仕組みです。
その動きで衣類同士が擦れて劣化し、色落ちしてしまうのです。



3.強い日光

シルクは動物性タンパク質の繊維。
人間の皮膚と同じように、日焼け(=黄変)する可能性があり、色落ちにつながります。



シルクの色落ちの予防法

シルクの色落ちを防ぐには、どのような点に気をつけると良いのでしょうか?
ルルルで取り扱っているシルク商品の全ては、ご自宅の洗濯機で洗うことができます。
以下の注意点に気をつけて、洗濯をすると色落ちを予防できます。


1.洗濯ネットに入れる

シルクを洗濯する際には、必ず洗濯ネットに入れましょう。
理由は衣類同士が擦れたり、絡まったりすることを防止するためです。
なお、洗濯ネットに入れる際は、洋服を裏返して入れるとさらに効果的です。


2.液体の中性洗剤を使う

シルクを洗う際は、液体の中性洗剤を使いましょう。
理由は、シルクが動物性たんぱく質でできており、
アルカリ性の洗剤を使うと、黄ばみや色落ちの原因になるからです。

もちろん、シルク専用の洗剤はおすすめで、繰り返し洗濯をしても色あせや縮みが少ないのが特徴です。
洗剤に「おしゃれ着用」と記載してあるものでもよいでしょう。


3.弱流水で洗う

洗濯機の種類によって記載が異なりますが、
「ソフトコース」など最も水流が穏やかなコースを選択してください。
理由は、そもそもシルクは水に弱い性質だから。
短時間で洗うことがポイントだと覚えておきましょう。

また、どうしても色落ちが不安な場合は、
手洗いをすることで、色落ちしていないかを確認しながら洗濯することをオススメします。


豆知識 染色方法について

シルクを着て外出するのに、

・雨の日は濡れるからダメ
・晴れた日は紫外線があたるからダメ

これではシルクを着て外出はできませんよね…
そこで、染色法に関する技術が開発され、色落ちされにくいシルクが開発されてきました。
ここでは「染色法」をご紹介します。


1.直接染料

媒染剤を必要とせず直接に繊維に染着する染料。
染色法は簡単ですが、堅牢度や耐光性が低いものが多いです。
ベトナム製などに多く、色落ちしたり色移りしたりしやすい。


2.間接染料

媒染剤を用いたり還元操作(酸化の逆)を行なったりしたあとで染着する染料。
国産品ではほとんどが間接染料で、色落ち色移りに比較的強い。


3.友禅染め

友禅染めは日本を代表する染色法です。
工程の中に、「蒸し」や「水洗い」などの工程があり、生地にとっては過酷なもの。
しかしその結果、色落ちしなくなるのは、不思議ですね。まさに、匠の技と言えるでしょう。