パチッと手に感じる静電気。
冬場によく起きやすいですが、とても痛く、できれば避けたいですよね。
もしかすると、シルクを着ていると、静電気が起きないと聞いたことがあるかもしれません。
本当に静電気が発生しないのか。
また、静電気が起きないようにするには、どうしたら良いのかをみていきましょう。
そもそも静電気が起きる理由とは?
雷の正体をご存知ですか?
実は雷は、雲の粒がこすれ合って静電気が発生したもの。
衣類の静電気も同じ原理で、雷とは規模は違いますが、洋服どうしの摩擦と湿度が関係するのです。
摩擦により帯電する
2つの物がこすれ合って静電気が発生することを、摩擦帯電といいます。
衣類を脱ぐときに発生する静電気の正体がこれです。
衣類と衣類が摩擦により、マイナスの電気が移動するときに、静電気が発生するのです。
湿度が低いと発生する
小学生の時に、水は電気を通す性質だと習いました。
発生した静電気も、湿度が高い季節は空気中に逃げてしまい、人体に伝わるものが少なくなります。
一方で、冬になると空気中が乾燥しているため、
帯電した静電気の逃げ場がなく、ドアノブや服を脱いだ瞬間に電気が伝わるのです。
冬場に静電気が多いのは、このような理由なのです。
シルクを着ていれば静電気が起きない?
シルクを着ていれば静電気は起きない。
そのようなことを聞いたことはありませんか?
実は、天然素材のシルク生地であっても、静電気は起きるのです。
静電気は、先に説明したように摩擦により発生するもの。
ただし、同じ摩擦でも衣類の素材の相手によって、静電気の極性や発生量が違うのです。
それを序列化したものが下の「摩擦帯電列」(摩擦で帯電する素材の序列) の表です。
通常シルク以外で、最もポピュラーに選ばれている衣服の素材は「綿」と「ウール」です。
この場合、摩擦帯電列でシルクは綿とウールの中間にあり、どちらにも距離が近い。
そのため、シルクは静電気が起こりにくい素材といえるわけです。
しかし「ポリエステル」との組み合わせでは静電気量が大きくなるため、静電気が発生してしまうのです。
静電気を防ぐ4つのコツ
シルクを着ても静電気が起きてしまう。
けれども、あの痛みや怖さを体験したくありませんよね。
そこで、静電気を防ぐ4つのコツをご紹介します。
1.着合わせに注意する
2.静電気防止グッズを使う
3.肌を保湿する
4.放電する
順にみていきましょう。
1.着合わせに注意する
先ほどの摩擦帯電列の表をもう一度ご覧ください。
マイナスかプラスになりやすい素材を組み合わせて摩擦が起きた場合、
距離が遠いほど静電気が発生する仕組みでした。
そう考えると、「着合わせ」によって静電気を防げます。
シルクとポリエステルを組み合わせて着た場合、「シルク」素材は(+)。
「ポリエステル」素材は(-)に帯電します。
そこで、静電気を中和させるために、
シルクが(-)に帯電しやすい「ウール」を着合わせることが効果的です。
2.静電気防止グッズを使う
静電気を発生させないために、
静電気防止スプレーやブレスレット式の静電気除去グッズを身につけるのが効果的です。
静電気防止スプレーは衣類にふきかけるだけ。
静電気除去グッズは身につけるだけですので、カンタンですね。
3.肌を保湿する
湿度が高ければ、静電気が放電されることを先にご紹介しました。
そのため、洋服に触れる皮膚をハンドクリームなどで保湿することで、湿度を高めておくと良いでしょう。
4.放電する
静電気を発生させる前に、放電させることも有効です。
金属を触る前に、木や土、コンクリートやアスファルトなどを触ると良いでしょう。
これらの素材はゆっくりと静電気を逃す性質があるため、痛みが発生しません。
まとめ
シルクを着ていても、残念ながら静電気は起きてしまいます。
しかし、シルク同士の着合わせであれば、発生しにくくいのも事実。
シルクは人間の肌に近しい成分で、お肌の保湿も守ってくれる素材。
ぜひシルクのある生活を楽しんでいきましょう。