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シルク産業の現状について


国を代表する一大産業だったシルク。
1909年、日本の生糸生産量は世界最高となり、日本の主要な外貨獲得源でした。
しかし1929年の世界恐慌をきっかけに、日本のシルク産業に陰りがみえてきました。
日本におけるシルクの現状は、今、どのようになっているのでしょうか?



シルクの現状

シルクの現状を知るために、直近のデータを見てみましょう。
2019年に農林水産省が報告している、
「新蚕業プロジェクト方針」に詳しく現状が書かれています。

・養蚕農家戸数は、ピーク時の1929年の221万戸から2018年には293戸に。
・まゆの生産量は、ピーク時の1930年の40万トンから2018年には110トンに。

それぞれ、ピーク時の1/10になっていることがわかります。
出典元:農林水産省「新蚕業プロジェクト方針」令和元年9月

日本で流通しているシルクの99.8%は輸入品で、
国産シルクのシェアはわずか0.2%となっています。

ちなみに、2018年都道府県別のまゆ生産数量を見ると、
全国で最もまゆを生産しているのは、群馬県。
群馬県では2018年時点で109戸の養蚕農家があり、年間で40トンを生産しています。
全国の約40%を占める一大産地であり、シルクの歴史を紡いでいるといっても良いでしょう。

養蚕農家の課題として、高齢化が挙げられます。
群馬県の養蚕農家における年齢別比率を見ると、
70歳以上が全体の6割を占めており、技術承継や担い手不足が課題。
そこで群馬県では、2016年から「ぐんま養蚕学校」を開講し、
新規養蚕者の育成に取り組んでいるようです。

国産のシルクは非常に貴重であり、今後も伝統を紡いでいくことが期待されますね。



シルクの用途拡大に向けて

シルクの用途拡大に向けて、どのような取り組みがされているのでしょうか?



1.純国産絹マークによるブランド化

国産シルクの価値向上に向けて、大日本蚕糸会では「純国産絹マーク」を発行しています。

純国産絹マークは、国産の繭から繰糸した生糸等を用いて国内で
製織、染織、加工及び縫製された純国産絹製品であることを
一般の消費者が容易に識別できるようにするためのマークです。

引用:一般財団法人 大日本蚕糸会 ジャパンシルクセンターHPより
https://www.silk-center.or.jp/junkokusan.html


「純国産絹マーク」のタグがついていることで、
国産シルクを使った商品であると識別でき、ブランド化することができるでしょう。

ルルルでは国産のシルクを使った商品をまだ扱っておりませんが、
シルクの良さを知ってもらいたい気持ちは通じるところがあります。
毎日シルクに触れてもらうことで、
多くの方にシルクの素晴らしさを知ってもらうことができるでしょう。
シルク産業全体が活性化することを願っています。



2.繊維以外の用途拡大の取り組み

国産シルクの生産量拡大に向けて、繊維以外の用途に使われることが増えています。

シルクの特性として
・紫外線を吸収しやすい
・保湿機能が高い
・肌に馴染みやすい
・静電気がおきにくい

これらが挙げられます。この特性を生かし、シルクの化粧品や再生医療の材料。
オーディオや電子機器の素材として活用されつつあります。



まとめ

日本におけるシルクの生産量は減少の一途を辿っています。
そのため、日本におけるシルクの現状は、新たな局面に入ったと言えるでしょう。
繊維として活用されてきたシルクが、様々な製品の原料として
活用されることで、養蚕農家をめざす人が増えることが望まれます。

ルルルでは、シルクを日常の生活で使っていただけるように、
リーズナブルな価格でシルク商品を提案し続けて行きます。

その結果、シルク産業全体の活性化につながればうれしいですね。